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在ケニア日本国大使館は、エリトリアセーシェルソマリアを兼轄しています。

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ケニア経済協力概況

1.経済情勢
 
(1)ケニア経済は、市場メカニズムの尊重、健全な財政金融政策、民営化と規制緩和等の構造改革の推進などの政府の経済運営の下で堅調に推移し、東アフリカで最大の経済国である。近年の経済成長を支えているのは金融、小売業、観光業、運輸・通信分野である。また、紅茶・園芸作物等の伝統的な輸出作物の堅調な伸び、海外送金等の資金流入によりケニア・シリングの対主要外国為替レートが比較的安定していることも経済を支えている。
 
(2)2007年末の選挙後の暴動、世界的な燃油・食糧価格高騰、旱魃、2008年末の世界的金融危機により、2008年の経済成長率は1.6%前後に落ち込んだ。2008年~2009年にかけても世界的経済不況の影響を受け、輸出高の減少、観光業の停滞、送金の減少により成長率は低迷した。2010年になって農業・観光業等、好調なセクターが経済を牽引し、5.6%の成長率を達成。2011年は燃料・食糧価格の上昇と天候不順に伴う農業の不調により成長率は4.5%に減速。2012年は値下がり傾向の燃料価格や為替安定などで、インフレ率は低下傾向にあったが、高貸出金利等のため、4.3%の成長率にとどまる見込み。なお、2011年4月にケニア北西部で有望な石油層が発見された。ケニア海岸部でも石油・天然ガスの発見が有望視されており、関連企業の高い関心を呼んでいる。
 
(3)ケニアは、東アフリカの空輸と海運の中核に位置しており、特にウガンダ、南スーダン等の内陸国への物流の多くがケニアを経由する。また、携帯電話や電子送金システムが普及するなど、情報通信システムと金融業が発達し、周辺国のビジネスをリードしている。近年、報道の自由が進み、ケニアと周辺国の双方のニュースを客観的に(権力者に不都合な事実も含めて)報道しており、地域における情報のハブともなっている。このようなケニアの立場を背景として、ケニア政府は、地域経済の活性化にも重点を置いており、東アフリカ共同体(EAC)、東南部アフリカ共同体(COMESA)域内の関係強化により貿易量が増加傾向にある。
 
(4)2008年6月、ケニア政府は2030年には中所得国入りを目指す長期経済開発戦略「ビジョン2030」、及び同戦略の第一次5カ年中期計画(MTP1)(2008―2012年)を公表した。右戦略では相互連関性のある経済、社会、政治の3分野におけるビジョンを3本柱とし、1)2030年までに毎年平均経済成長率10%以上の達成、2)公平な社会発展と清潔で安全な社会整備、3)民主的政治システムの持続を目指す。現在、ケニア政府は第二次5カ年中期計画(MTP2)(2013年-2017年)を作成中である。
 
 
2.我が国の対ケニア経済協力

(1)意義
ケニアは域内人口約1.4億人の東アフリカ地域の海運・空運のゲートウェイとして地理的要衝を占め、一人あたりの国民所得(GNI)は760米ドル(2010年)と域内で最も高く、地域経済を先導している。また、スーダン、大湖地域などの和平プロセスの推進に意欲的であるなど、地域の平和と安定に積極的に貢献している。このような同国の経済発展は東アフリカ地域内での成長モデルとなり得るものであり、同国への援助の意義は大きい。また、同国に対する日本企業の進出数はサブサハラ・アフリカ諸国の中で2番目に多く、同国の経済・社会の安定を確保しつつ、インフラ整備、人材育成などを支援することは日本企業を含め、民間投資の促進を通じて、民間主導型の持続的な経済成長の実現につながることが期待される。

同国は、都市化による貧困層の増加、若年層を中心に深刻化する失業問題、国土の8割が乾燥・半乾燥地であり自然災害が頻発するといった課題を抱えている。これらの課題への対策を我が国が支援することはODA大綱の重点課題である「貧困削減」や「持続的成長」の観点から意義が大きい。また、これらの支援は我が国のTICAD公約達成にも資するものである。

同国は2010年に国民投票による憲法改正を実施し、大統領権限の制限、司法の独立性の強化、地方分権などの行政能力の改善に取り組んでいる。同国の各分野への援助を通じてその後押しをすることは、政治・経済の両面における安定的な発展を実現していく上で意義が大きい。

(2)基本方針 

(3)重点分野

(4) 2011年度実施分の特徴
対ケニア国別援助方針及びVISION2030に基づき,無償資金協力を通じ,食糧支援,難民支援,憲法施行支援(市民教育),水,保健,医療,教育を支援したほか,技術協力を通じ,農業,教育,保健医療分野を支援し,更に教育,農業,保健医療,開発計画などの幅広い分野における専門家派遣,研修員受入,JOCV派遣による協力を実施した。