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在ケニア日本国大使館は、エリトリアセーシェルソマリアを兼轄しています。

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対ケニア共和国 国別援助方針

1. 援助の意義
ケニアは域内人口約1.4 億人の東アフリカ地域の海運・空運のゲートウェイとして地理的要衝を占め、一人あたりの国民所得(GNI)は760 米ドル(2010 年)と域内で最も高く、地域経済を先導している。また、スーダン、大湖地域などの和平プロセスの推進に意欲的であるなど、地域の平和と安定に積極的に貢献している。このような同国の経済発展は東アフリカ地域内での成長モデルとなり得るものであり、同国への援助の意義は大きい。また、同国に対する日本企業の進出数はサブサハラ・アフリカ諸国の中で2 番目に多く1、同国の経済・社会の安定を確保しつつ、インフラ整備、人材育成などを支援することは日本企業を含め、民間投資の促進を通じて、民間主導型の持続的な経済成長の実現に つながることが期待される。

同国は、都市化による貧困層の増加、若年層を中心に深刻化する失業問題、国土の8割が乾燥・半乾燥地であり自然災害が頻発するといった課題を抱えている。これらの課題への対策を我が国が支援することはODA 大綱の重点課題である「貧困削減」や「持続的成長」の観点から意義が大きい。また、これらの支援は我が国のTICAD2公約達成にも資するものである。

同国は2010 年に国民投票による憲法改正を実施し、大統領権限の制限、司法の独立性の強化、地方分権などの行政能力の改善に取り組んでいる。同国の各分野への援助を通じてその後押しをすることは、政治・経済の両面における安定的な発展を実現していく上で意義が大きい。

 
2. 援助の基本方針(大目標):持続的な経済・社会の発展の促進
ケニアは「Vision 2030」という長期開発戦略に基づき、2030 年までの中所得国入りを目指している。我が国は、「Vision 2030」を踏まえ、以下の分野への支援を重点的に展開していく。


3.重点分野(中目標)
(1)経済インフラ整備
広域インフラ整備は投資の促進のためにも急務の課題であり、ソフト・ハード一体となった支援を実施する。具体的には、東アフリカ地域全体の発展を念頭に、国際回廊の形成、交通・エネルギー・都市インフラの適切な計画、整備、改良及び維持管理を支援する。エネルギーについては、特に、地熱発電といった気候変動対策としても有効なインフラ整備に力を入れる。

(2)農業開発
主要産業である農業の一層の振興による食料安全保障の確保及び小規模農民の収入向上が必要である。このため、我が国は、コメなどの生産技術改善、灌漑施設などの整備や園芸作物などの市場ニーズ対応型農業の開発などを支援する。

(3)環境保全
同国においても、近年深刻化する気候変動への対応は喫緊の課題である。このため、給水及び水資源管理、森林保全・災害対策を支援する。また、都市人口の増大による都市環境悪化も懸念されている。このため、環境管理能力の向上を支援する。

(4)人材育成
貧困削減及び経済成長の基礎となる人材の育成は喫緊の課題である。このため、初等・中等教育における理数科教育において、教員の質の向上などを重点的に支援する。さらに、ケニアの東アフリカ地域における位置づけを踏まえ、ケニアのアフリカ理数科・技術教育センターを拠点としてアフリカ全体の教員の能力向上を図る。

(5)保健・医療
貧困層、地方における保健医療サービスへのアクセス向上を図る。このため、重要疾病などケニアの喫緊の課題に対処しつつ、保健システムを強化し、基礎的な疾病予防対策の質的向上・提供範囲の拡大を支援する。


4 留意事項3
(1)ケニアでは、日系企業からの投資への期待が非常に大きく、また我が国の官民連携の観点からも、ケニアの経済成長を促すとともに、日系企業の事業・投資の促進につながる支援を実施する必要がある。

(2)東アフリカ共同体(EAC)4を中心としたケニアの東アフリカ地域における主導的な活動(広域インフラ、税関支援など)について、同国のみならず地域全体の発展の観点から支援をしていく必要がある。

(3)先進技術の導入・普及だけではなく、我が国の知見・経験を活かし、簡易で地元の資機材を活用した低コストの技術による支援を検討する。
 
(了)

別紙: 事業展開計画 (266KB)
 

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1 日本企業の進出数 32 社(2009 年)

2 アフリカ開発会議(Tokyo International Conference on African Development)。アフリカの開発をテーマとする国際会議である。1993 年以降、日本政府が主導し、国連、国連開発計画(UNDP)及び世界銀行などと共同で開催している。5 年に1 回の首脳会合に加えて、閣僚級会合などを開催しており、2008 年5 月には、横浜において4 回目となるTICAD IV(第四回アフリカ開発会議)を開催した。

3 なお、当該国を対象として実施された過去のODA 国別評価は次のとおり。ケニア国 国別評価(2005)
報告書掲載先:http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hyouka/kunibetu/gai/kenya/kn05_01_index.html

4 東アフリカ共同体(EAC : East African Community):ケニア、タンザニア、ウガンダ、ブルンジ、ルワンダが加盟している地域共同体。