大使ご挨拶

令和6年12月4日


緑あふれる美しい首都ナイロビに、11月25日着任しました。
皆さまと一緒に、これからの日ケニア関係を築いていくことを楽しみにしています。
 
日ケニア両国は長い友好関係の歴史を育んできました。そのことは、1963年に日本によるケニアへの最初の経済協力が行われ、現在もケニアが、サブサハラ・アフリカ諸国として日本の援助の最大の受取国であることに表れています。今年還暦を迎えた私よりも、日ケニア関係の歴史は古いわけです。今日に至るまで、日ケニア両国の数えきれない多数の関係者のご尽力により、私たちはお互いに対する親しみの感情を養い、良好な関係の固い基礎を築くことができました。
 
そしてこの関係は未来に開いています。昨年5月の岸田総理ケニア訪問、本年2月のルト大統領訪日を通じ、日ケニア関係は画期的に飛躍しました。貿易、投資、防衛、保健、ICTといった分野で幅広く協力する枠組みが整い、この枠組みの下で、両国が直面する課題に共に取り組み、共に未来を切り拓く営みが着実に拡大しています。そのことを何よりも雄弁に物語るのがケニアに進出している日本企業数です。2023年10月現在、その数は118社に達しサブサハラ・アフリカ諸国として南アフリカに次ぐ多さですが、さらに増える勢いを示しています。ますます多くの企業・関係者の皆さまの参加を得て、日ケニア関係は幅と厚さを増していきます。
 
国際秩序大変動のこの時代にあって、ケニアは自由でオープンな政治体制及び経済政策にコミットし、ルールに基づく秩序を重んずる外交政策にコミットしています。また東アフリカの安定勢力として、地域の平和と安定に重要な役割を果たしています。ケニア同様、自由な秩序と世界の安定に寄与することを国是とする日本にとり、ケニアは極めて重要なパートナーです。
 
そして、日本国民とケニア国民は、楽観主義、進取の気性、伝統を重んじる心、勤勉性、自らを恃みとする精神を共有しています。両国民が共に考え、議論し、力を出し合うことで、互いに学び互いを高め合い、新時代の困難な課題に対し、両国民共同ならではの有効な解決策を世界に提示できるのではないでしょうか。そのような希望を持って在ケニア日本大使を務めることは、大変にやりがいのあることです。ぜひ皆さまと一緒に一歩一歩着実に歩みを進め、未来を築く結果を出していきたいと考えます。どうぞよろしくお願いします。
 

2024年12月4日
特命全権大使
松浦 博司