大使ご挨拶

皆さま、明けましておめでとうございます。
本年も日ケニア関係の新なページを皆さまと一緒に書き込んでいきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
国際政治には大きな変動が予想されますが、日ケニア関係は安定的な発展を続けることができるでしょう。日本とケニアの、自由で開放的な政治体制や外交・経済政策に対するコミットは堅固です。自由で開放的な国際秩序を担うパートナー同士として、日ケニア両国はお互いを必要としています。昨年までの成果を基礎に、今年一層の飛躍を目指していきましょう。
年初から、今回第14回となるアフリカ官民合同ミッションが、藤井外務副大臣を団長とし日本企業約30社の参加を得てケニアを訪問します。発展を続ける両国の貿易投資関係にさらなる弾みが加わることが期待されます。また両国政府による定期的な高級事務レベル政策協議の第1回が開催される予定です。広範な外交政策について緊密なすり合わせを行うことを通じて両国のパートナーシップが磨かれて行きます。
このように形作られた流れが向かう先が8月の第9回東京アフリカ開発会議(TICAD9)です。TICADは日本とアフリカ大陸全体の一大外交行事であり、過去30年以上にわたり日アフリカ関係の基調を作って来ました。ケニアはTICADプロセスにおいて最重要パートナー国の一つであり、そのことは何よりも2016年、初のアフリカ大陸におけるTICADであったTICAD6のホスト国をケニアが引き受けたことに明確に表れています。本年のTICAD9も現下の国際情勢と長期的展望を踏まえて今後3年間の日アフリカ関係のレールを敷く重要な会議となるものであり、日本はケニアと協力して会議を成功に導く必要があります。
同時にTICADは日ケニア両国の首脳があいまみえる機会でもあります。日ケニア二国間の様々な協力案件に両国首脳の後押しを得て、それらを強力に進めるまたとないチャンスです。TICAD9での首脳会談に向けて、6月に予定されている大阪万博ケニア・デーなどの節目も活用しながら、協力案件を一つ一つ仕上げていく、登山のようなプロセスが動いていきます。山頂に達した時、新な地平が眼前に開け、もう一段の高みを望むことができるでしょう。そのことが今から楽しみではありませんか。
日ケニア関係の裾野は広いですが、私たちは皆、両国民の友情という一つの同じ空気を呼吸して生きています。今年という年を、私たち皆が大きな一つのリズムで呼吸していることを実感する一年にできたら嬉しいことです。どうぞよろしくお願いします。
2025年1月13日
特命全権大使
松浦 博司