草の根・人間の安全保障無償資金協力

平成27年5月7日
乾物製作機の説明を受ける寺田大使
太陽光発電保冷庫に保存されていた魚を確認する寺田大使
タイトル 「ムンジェ海産物販売所建設計画」草の根・人間の安全保障無償資金協力の引渡式典
日付 2015年5月7日(木)
場所 クワレ郡 ムサンブウェニ県 ディアニ地区 ムンジェ村
案件名 ムンジェ海産物販売所建設計画
供与金額 98,794米ドル(8,101,108円)
出席者
合計約100名
概要 クワレ郡ムサンブウェニ県において、このほど「ムンジェ海産物販売所建設計画」が完了し 、寺田大使が引渡式に出席しました。本案件では、海産物販売所の建設、太陽光発電保冷庫10台、乾物製作機1台、トイレ棟1棟、水タンク2基を供与しました。
 
本案件は、住民の大半が漁業に従事しているムンジェ村において、漁師が漁獲した海産物を長期保存し、漁師の生活水準を向上する目的で実施されました。これまで、ムンジェ村では海産物を保存するための設備がなかったため、その日に漁獲した海産物はその日のうちに販売せざるを得ませんでした。そのため、仲買人の中には鮮度が落ち始める夕方頃まで買付けを待って海産物を安価で仕入れる者もおり、漁獲当日に買い手がつかない海産物は消費する分を除いて廃棄せざるを得ませんでした。したがって、本案件はムンジェ村の漁師が適切な価格で海産物を販売できる環境を整備しました。
 
本案件の主要供与品目である、太陽光発電保冷庫は日本の最新技術を利用したシャープ社製の商品です。主な特長は、曇りの日や朝・夕の光が弱い時でも独自技術により稼動し、発電できない雨の日や夜は蓄冷材で冷却機能を維持できることです。ムンジェ村のような電気が供給されていない地域で活用できる付加価値の高い商品です。
 
引渡式典では、寺田大使から日本の食文化である「お寿司」が紹介されました。「日本では沿岸沿いだけでなく、内陸部でも新鮮なお寿司が食べられる。これは冷凍技術の発展のお陰であり、この冷凍技術を用いればケニアの食文化も多様化する可能性がある」と述べました。更に、これは「食品の付加価値化」というケニア政府の食料安全保障の考え方にも合致していることを指摘しました。また、ムンジェ村の漁師にはこれまでの販売網を更に拡大していくために、この保冷技術を最大限活用してほしい、との激励の言葉がありました。最後に、来年アフリカで開催されるTICAD(アフリカ開発会議)について、ケニアが有力な開催候補地であることに言及し、今後も様々な形で日本とケニアの関係を深化させていきたいと述べました。
 
ムワドゥガ郡知事補佐官からは、日本の協力に対しての謝辞が述べられるとともに、郡から漁網を26帖とボートを一隻供与することが表明されました。また、今回供与された太陽光発電保冷庫や乾物製作機が漁獲シーズン中にフル稼働していることを改めて確認したいとの言葉でスピーチが締めくくられました。
 

写真

ムンジェ村漁業組合の組合員一同
ムンジェ村漁業組合長によるスピーチ
クワレ郡議会議員スグウェ氏によるスピーチ
水産省長官キオゴラ氏によるスピーチ
クワレ郡知事補佐官ムワドゥガ氏によるスピーチ
寺田大使によるスピーチ