草の根・人間の安全保障無償資金協力 (「カリマニ・アースダム修復計画」に対する植樹式典)

平成28年4月26日
JICA/KEFRIから寄贈されたメリア・ボルケンシーの苗木の一部
サインボードの除幕式を行う寺田大使と被供与団体のムルワ代表
アースダムに植樹されたメリア・ボルケンシー
JICA/KEFRIから寄贈されたメリア・ボルケンシーを運搬する地域住民
ダムから水を引いて建設した水汲み場について説明を受ける寺田大使
タイトル 「カリマニ・アースダム修復計画」に対する植樹式典
日付 2016年4月26日
場所 キトゥイ郡 マティニャニ県 マティニャニ地区 カリマニ区
案件名 カリマニ・アースダム修復計画
供与金額 101,159 米ドル (11,127,490円)
出席者
合計約400名
概要 2015年9月に在ケニア日本大使館において贈与契約の署名式を行った「カリマニ・アースダム修復計画」の苗木の植樹式がキトゥイ郡マティニャニ県において行われ、寺田大使を初め、独立行政法人国際協力機構(JICA)やケニア森林研究所(KEFRI)の関係者が出席しました。
 
JICAとKERIは、技術協力プロジェクトである「気候変動への適応のための乾燥地耐性育種」を3年以上に渡って行っています。本プロジェクトでは、ケニアにおける乾燥・半乾燥地に耐性のある成長の早い造林品種の育種研究及び普及を推進しています。郷土樹種であるメリア・ボルケンシーは約半年で2mに成長する優良種です。
 
JICAとKEFRIは300本以上のメリア・ボルケンシーを「カリマニ・アースダム修復計画」に寄贈しました。
 
カリマニ・アースダムは、1980年代に機械を使わず人の手で作り上げた原始的なダムであり、堤防を作る際に土を十分に圧縮することができず、堤防の構造が脆いつくりでした。その影響で、2005年頃にアースダムの堤防が決壊し、雨季に十分な水を貯水することができなくなり、住民は水汲みに近くの河川へ毎日往復約10kmの距離を歩いていましたが、その河川も干上がっており、河川周辺に穴を掘ってわずかな水を汲み上げている状況でした。
 
したがって、被供与団体である「ケニア緑化への一歩」は、地盤を強化してダムへの浚渫土砂の流入を防ぎ、ダムに日陰を作り表流水の蒸発を防止するために、ダム周辺に木を植樹することを希望していました。
 
在ケニア日本大使館からの要請を受け、JICAとKEFRIは大使館の草の根・人間の安全保障無償資金協力プロジェクトとのコラボに賛同し、300本以上のメリア・ボルケンシーを寄贈しました。
 
式典で、被供与団体のムルワ代表からは、「JICAやKEFRIの専門家の皆様からメリア・ボルケンシーの苗木とともに技術的アドバイスを受けられたことに感謝しています」との謝辞が述べられました。
 
KEFRIのチカマイ所長からは、KEFRIはこれまで30年間JICAと活動してきており、日本政府と強い繋がりがあることを説明しました。また、KEFRIはこれまでにも植物を植えてダムを保護する活動を行ってきており、「ここ、カリマニ・アースダムのような場所で良く育ち、ダムの保護に役立つ品種の草もあります。我々は本プロジェクトに最大限協力します。」と付け加えました。
 
JICAの丹原次長は、「JICAの技術協力プロジェクトで育てたメリア・ボルケンシーが実際の現場で有効利用されていることを嬉しく思います」との言葉が述べられました。
 
寺田大使はスピーチの中で、草の根・人間の安全保障無償資金協力案件に対してJICAとKEFRIからの協力を受けられたことに対する感謝の意を伝え、本案件が大使館、JICA、KEFRIの三者間における初めてのコラボプロジェクトであることを説明しました。続けて、「日本がケニアで行っている様々な活動に関して最大限の成果を出すためには、しかるべき機関と協働していく方法を見出すことが大切である」と述べました。
 
スピーチの結びの言葉として、式典参加者全員の健康とご多幸を祈念しました。
 

写真

メリア・ボルケンシーを植樹する寺田大使
歌を歌って感謝の意を伝える地元のコーラスグループ
被供与団体である、「ケニア緑化への一歩」によるスピーチ
郡議会議員、ムトゥイ氏によるスピーチ
キトゥイ郡農業/水/灌漑省長官、ムトゥア氏によるスピーチ
ケニア森林研究所(KEFRI)、チカマイ所長によるスピーチ
独立行政法人国際協力機構(JICA)丹原次長によるスピーチ
寺田大使によるスピーチ

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