ケニア国内におけるコレラの流行

平成29年7月26日
●本年5月以降、ケニアでコレラが流行しており、7月26日付のStandard紙によれば、キスム郡においてコレラ感染による3名の死亡者と34名の感染治療者を報じており、
コレラ流行は未だ終息の兆しは見られず、引き続き注意が必要です。
●コレラによるナイロビ市内ホテルの営業停止について
一部で、ナイロビ市内のホテルがコレラの影響により営業を停止している旨の噂がありましたが、7月26日、当館がDirector of Public Health に確認したところによれば、市内ホテルの衛生状況は改善されており、営業を中止しているホテルはないとのことです。
●食事の前及びトイレの後の手洗いの励行、食物の加熱や路上販売の飲食物を口にしないなど、コレラの感染予防に努めてください。
 
1.ケニアにおけるコレラの流行
(1)7月24日付のケニア保健省の発表によると、コレラ感染患者数が減少傾向にあるとしています。
(2)しかしながら、7月26日付のStandard紙によれば、キスム郡においてコレラ感染による3名の死亡者と34名の感染治療者を報じており、コレラ流行は未だ終息の兆しは見られず、引き続き注意が必要です。
(3)またケニア保健省は、7月17日、本年5月以降同国内の衛生状況の悪化によりコレラが流行しており、ナイロビ郡でもコレラ類似の徴候及び症状が336例(うち死亡3例)報告されたことを発表しています。
(4)つきましては、同国への渡航・滞在を予定している方、及び既に滞在中の方は、在ケニア日本国大使館のホームページなどから最新情報を入手し、以下2.(3)を参考に、コレラの感染予防に努めてください。
 
2. コレラについて
(1)コレラはコレラ菌(Vibrio cholerae)に汚染された水、氷、食品などを経口摂取することによって起こる、下痢を主症状とする病気です。潜伏期間は数時間から5日で、その後、下痢や嘔吐などの症状がみられます。腹痛や発熱はほとんどみられません。下痢の症状は様々ですが、重い場合は多量の水のような下痢(米のとぎ汁様)となり、脱水症状を起こします。胃腸の弱い人や胃切除を受けた人、高齢者、乳幼児などは重症化し、昏睡状態に陥り死亡する例もあります。
(2)治療方法としては、下痢によって体内から失われた水分と塩化ナトリウム等の電解質の補給が主となります。脱水症状が激しい場合は点滴による治療が必要となり、抗生物質を併用します。
(3)予防方法としては、流行地では、以下のような基本的な感染症予防対策を心掛け、感染が疑われる場合には、直ちに医師の診断を受けてください。
●食事の前、トイレの後の手洗いを励行する。
●食物は、十分加熱してから食べる。路上で販売されている飲食物は口にしない。
●飲料水や調理用の水はミネラルウォーターを使用する。水道水を利用する場合は、十分に沸騰させた後使用する。
●安全な水から作ったことが確認できる氷以外は使用しない(コレラ菌は冷凍しても死滅しません)。
   
 なお、海外では、コレラに感染するリスクの高い海外渡航者に対し、経口コレラワクチン(不活化ワクチン)も使用されています。日本では、承認されている経口ワクチンはなく、一部医療機関で輸入ワクチンを接種しています。
 
(参考情報)
○厚生労働省検疫所(FORTH):コレラ
http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name05.html
 
3 在留届及び「たびレジ」への登録のお願い
 海外渡航前には、万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。3か月以上滞在する方は、緊急事態に備え、必ず在留届を提出してください。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/todoke/zairyu/index.html
 また、3か月未満の旅行や出張などの際には、海外滞在中も安全に関する情報を随時受けとれるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(詳細はhttps://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/# 参照)
 
(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903
 
(外務省関連課室連絡先)
○外務省領事局政策課(海外医療情報)
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)5367
○外務省 海外安全ホームページ: http://www.anzen.mofa.go.jp/
        (携帯版)  http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp