現地メディア向けプレスツアーを行いました。

平成30年1月25日
1月25日,現地メディア向けプレスツアーを実施し、新聞・テレビ7社12名のジャーナリストとカメラマンが参加しました。このプレスツアーは、ケニアのコメ生産の5割以上を産出するキリニャガ郡ムエア地区で実施中の「ムエア灌漑開発事業」、「稲作を中心とした市場志向農業振興プロジェクト(RiceMAPP)」、「テーラーメード育種と栽培技術開発のための稲作研究プロジェクト(SATREPS)」を訪問し、関係者へのインタビューを行いました。訪問の様子は多くのメディアで報道されました。
 
「包括的な農業生産基盤整備を実施し、コメの生産拡大に貢献!」
 
プレスツアーの様子
 
1.有償資金協力「ムエア灌漑開発事業」
ケニアのコメ生産の5割以上を産出するキリニャガ郡ムエア地区において、我が国はダムの建設、灌漑施設の整備及び同基幹施設の運営維持管理能力の強化を図る支援を行っています。2016年にケニアを襲った深刻な干ばつは、ケニアのコメの生産を支えるムエア地区にも多大な影響を与えました。日本の支援によって建設が開始されるティバダムは、この干ばつの脅威からケニアのコメの生産地を救うことが期待されています。同ダムの建設により、灌漑地が35,000エーカー(約14,226ヘクタール)に拡張され、これにより、ムエアのコメ生産量が倍増することが期待されています。
 
2.技術協力「稲作を中心とした市場志向農業振興プロジェクト」(RiceMAPP)」
農家の収益性を高めるための営農体系モデルの導入等の支援を実施しています。日本の優れた節水栽培の方法やそれに伴う技術の導入により、コメの増産を実現しつつ、5割の節水が可能となりました。また、地元農家の収入向上にも貢献しました。
 
3.技術協力「テーラーメード育種と栽培技術開発のための稲作研究プロジェクト(SATREPS)」
ケニア農畜産研究所では、我が国の協力を通じて、イネの品種に合わせた栽培技術の研究が行われています。これらの研究成果は、コメの増産だけでなく、消費者の味覚にあうコメの開発や、また、干ばつに強いイネの品種改良にも活用されます。
同プレスツアーはケニアおける我が国の協力を国内に広く周知し、その理解の醸成を図るために実施されました。具体的には我が国の取組みについて、プロジェクトのカウンターパート、専門家及び地域住民(受益者)に対して、当地メディアによる取材が行われました。
 
プレスツアー後、各紙・テレビでは次々と我が国開発協力の取り組みが報道されました。例えばケニア国営放送局では、「ムエアのコメ農場がなくなる危機に備え」「ケニアのコメ生産:次のフロンティアへ」と題して特集番組が報道されました。また、スタンダード紙では「ダム建設に向けてコメ農場を整備する」と題した、我が国開発協力事業が大々的に取り上げられました。多くの国民が目にするテレビ・新聞による報道を通じて、ケニア国民の我が国開発協力事業への理解がより一層深まったのではないかと思います。
 
関連リンク(外部サイト)プレスツアー後の各社報道:
 
● ケニア国営放送局のウェブ記事(英語)KARI, JICA partner to train Mwea rice farmers(邦訳:「ムエアのコメ農家を訓練するパートナー」)
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● ネイションTVの番組(英語)Food Friday - Mwea rice fields could disappear in the next 5 years(邦訳:「ムエアのコメ農場がなくなる危機に備え」)
https://www.youtube.com/watch?v=yyHbFJrVBW4
● KTNの番組(英語)Business Today - NEXT FRONTIER Rice production in Kenya(邦訳:「ケニアのコメ生産:次のフロンティアへ」)
https://www.standardmedia.co.ke/ktnnews/video/2000149198/-business-today-29th-january-2017-next-frontier-rice-production-in-kenya)
● ピープル・デイリー紙の記事(英語)Mwea rice farmers to receive training boost(邦訳:「ムエアのコメ農家が訓練を受ける」)
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● スタンダード紙の記事(英語)Experts prepare rice farms ahead of dam(邦訳:「ダム建設に向けてコメ農場を整備する」)
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● ネイション紙(英語)New technique boosting rice production in Mwea(邦訳:「ムエアのコメ生産を促進する新しい技術」)
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● スター紙(英語)Technology: Mwea farmers reap big(邦訳:「技術によりムエア農家は収穫を確保」)
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プレススタディーツアー取材風景
「ムエア灌漑事業」における取材風景(ダム建設予定地)
「稲作を中心とした市場志向農業振興プロジェクト」における取材風景
 
事業関係者及び受益者を交えた意見交換・昼食会。昼食会ではムエア米が振る舞われました。
 
「テーラーメード育種と栽培技術開発のための稲作研究プロジェクト」における槇原准教授による事業説明
ケニア農畜産研究所内の作業風景
「稲作を中心とした市場志向農業振興プロジェクト」が実施されているムエアの稲作地帯