携帯電話を使用した詐欺に関する注意喚起

令和5年5月22日
●最近、ケニア国内において、携帯電話会社Safaricom職員を名乗る者から電話がかかってきた後、携帯電話の操作を促され、アカウントを乗っ取られたり、M-pesa残高を抜き取られるといった手口の特殊詐欺事案が発生しており、特に外国人の被害が多発しています。
●特徴的な点として、「携帯電話のアカウントに不具合がある」と言われ、やりとりの中で普段メッセージが送られてくるSafaricomアカウントから「あなたのワンタイムPINについては○○です。こちらの番号は他人に教えないで下さい」といったテキストメッセージが送られてきて、犯罪者側の言い分の信憑性を高めている点があります。
●心当たりのない電話を受けた場合には、毅然とした態度で臨み、絶対に相手の要求に応じないようにして下さい。
 
●最近発生した邦人被害にかかる特殊詐欺事案例
1 犯行概要
 携帯電話会社の社員を名乗る者からの電話連絡
 
2 ケース1
(1)「あなたのアカウントは2重に使用されており、本人確認のため一度電源を切って5分後電源を入れて下さい」旨伝えられる。
(2)いわれた通りにすると、「まだ問題があるため、さらなる確認が必要です。あなたのよく電話する番号は?」と聞かれ、家族の番号を伝えると、家族の電話に同じように不具合の連絡があり、同様の指示をされた。
(3)これらのやりとりの間に普段メッセージが送られてくるSafaricomアカウントから「あなたのワンタイムPINについては○○です。こちらの番号は他人に教えないで下さい」旨のメッセージが送られてきた。
(4)上記のやりとりを実施するうち、最初に電話を受けたアカウントのM-pesa残高が別の番号に送金されていた。
 
3 ケース2
(1)同じ番号から何度も電話を受け、応答しなかったが、同時に普段メッセージが送られてくるSafaricomアカウントから「あなたのワンタイムPINについては○○です。こちらの番号は他人に教えないで下さい」旨のメッセージが送られてきた。
(2)そのため電話をかけ直したところ、「あなたのアカウントが2重登録されており、他の人物が自身の電話番号であると主張している。」旨伝えられる。
(3)本人確認のため「いつ、どこでこの番号を登録したか、最新のM-pesa取引は、現在の残高は」等について尋ねられる。
(4)短縮ダイヤルを利用したM-pesaサービスにログインさせられ、相手の指示に従って「POCHI LA BIASHARA」機能を操作していったところ、M-pesa残高を振り込ませられた。この際相手の電話番号やビジネス番号については不明。
 
4 ケース3
(1)「あなたの電話番号に別の人の名前が登録されようとしており、彼がハッキングしている可能性がある、本人確認をさせてほしい」旨伝えられる。
(2)「いつ、どこでこの番号を登録したか、最新のM-pesa取引は、現在の残高は」等について尋ねられ、返答する。
(3)さらにID番号やGoogleアカウントパスワード等を求められるが、怪訝に思ったためSafaricom職員であることの証明を求めたところ、過去1ヶ月程度のM-pesa履歴を言い当ててきた。
(4)相手を信用し、言われたとおり携帯の電源を落とすとアカウントが乗っ取られ、銀行口座にログインされて銀行口座から自身のM-pesaに送金され、そのM-pesa残高を他のアカウントに送金されそうになった。
 
●対処方法(警備対策官からのアドアイス)
○特殊詐欺の手口は常に変化しています。登録のない電話に出る場合は、「詐欺」の可能性があるものとして、はじめから十分に警戒してください。
○携帯電話会社職員を名乗ってかかってきた場合は相手の名前や肩書き、所属等を確認し、疑問を感じた場合は相手の連絡先を確認した後こちらからかけ直す等の対策を実施してください。(参考までに、Safaricomの公式の電話番号は0722-000000となります。)
○犯罪者は、何らかの方法で普段メッセージが送られてくるSafaricomアカウントからワンタイムPINをターゲットの電話番号に送信させる手段があるようです。ワンタイムPINが送信されてきても相手を信用することのないようにしてください。
○被害額を最小限にするため、M-pesaアカウントに必要以上の金額を入れないようにしてください。
○犯罪者は被害が発覚しても携帯電話会社に連絡が取りづらい日曜日の午後を狙うケースが多いため、この時間の電話は特に注意してください。
○レストランやショッピングモールなどの公共Wi-fiに接続した状態でM-pesaや銀行のアプリ等で送金決済をしないでください。
○万一被害に遭った場合は、速やかに警察に届け出てください。
○今回の事例について、職場や家庭で共有して頂きお互いに注意を促してください。
○心当たりのない電話を受けた場合には、毅然とした態度で臨み、絶対に相手の要求に応じないようにして下さい。
 
【お知らせ】
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令和5年5月22日
在ケニア日本国大使館
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