岡庭健大使による“The Situation Room”出演

令和6年1月16日
    2024年1月16日、岡庭健大使は、ケニアのラジオ(Spice FM)/テレビ(KTN)時事番組である“The Situation Room”に出演してインタビューを受けました。同インタビューの要旨は以下のとおりです。

    なお、同インタビューの様子はこちらのリンク先からご覧いただけます。
 

1(質問)長年にわたり、日本が主導してきた非常に多くのプロジェクトを目にしてきたが、ケニアにおける日本のプロジェクトをいくつか紹介してほしい。
(大使回答)まず、ケニアはサブサハラ・アフリカで最大の日本からのODA被供与国である。モンバサのモイ国際空港の建設支援に始まり、最近のモンバサ港の開発支援においては、港の面積を拡大、人々の雇用と経済にも貢献している。さらに、ムエア灌漑プロジェクトにおいて、ティバダムを建設した。これにより灌漑網が拡大され、以前は水不足で生産できなかった米やその他農産品を栽培できるようになる。加えて、オルカリア地熱発電所への支援によって、地熱発電能力の約半分が日本の協力によって支えられているだけでなく、ケニアのエンジニアに日本のトレーニングを提供することで、彼らの能力向上にも貢献した。最後に、ケニア中央医学研究所(KEMRI)への協力を通じて、KEMRI自身ががアフリカの他国の医療専門家を訓練できるようになった。これは、ケニアだけでなくアフリカ地域全体の感染症との戦いに大きな恩恵をもたらしている。
 
2(質問)西側諸国の援助には条件がつきものであるが、日本のアプローチはどのように違うのか。
(大使回答)日本の開発途上国支援に対するアプローチは、被援助国の主体性を最も重視しているという点で他国と大きく異なる。そのため、ケニアとの協力を検討する際も、ケニア政府が何を必要としているのか、何を達成したいのかよく議論し、プロジェクト終了後もケニア政府が自立して活動を継続できるように努めている。
 
3(質問)二国間や多国間での融資には利子の問題がつきものだが、日本の融資について説明してほしい。
(大使回答)日本は現在、モンバサ・ゲートブリッジを支援している。本円借款の金利は0.1%で、猶予期間は12年、返済期間は40年である。これは、外国の銀行からの商業融資の金利が10%程度であることを考えると非常に有利な条件である。日本は透明性のある公正な開発金融を重視しており、私自身、透明かつ公正な開発資金を持つことは、政府の説明責任を促進する上で重要であると考えている。
 
4(質問)日本はケニアへの開発援助を通して、どのような恩恵を得ているのか。
(大使回答)我々が行っているプロジェクトが、直接日本や日本人に利益をもたらしているとは言えないが、両国の友好的感情を促進する一助となっていることは間違いない。
 
5(質問)日本の少子高齢化に伴い、ケニア人が日本で勉強したり、働いたりすることができるようになるのではないか、と言われているが、貴使の考えはいかがか。
(大使回答)まだケニアからの移民を全面的に自由化できる段階ではないが、ケニアの若者が日本文化に興味を持ち、日本への留学を希望する人が増えている。日本の学費は欧米に比べると格段に安く、今後より多くの学生が日本で教育を受ければ、ケニアに拠点を置く日本企業での雇用機会向上にも繋がるだろう。ナイロビと東京あるいは大阪を結ぶ直行便が就航すれば、このようなトレンドを後押しすることになる。